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2008年5月28日水曜日

航空管制官のメリット

航空管制の裏話ということで裏話っぽい話を一つ。

管制官になると、知り合いによく次のように言われます。

「パイロットやCAさんとお近づきになれるんでしょ??」
「飛行機ただで乗れるんでしょ??」

実際は、、、

まず「パイロットやCAさんとお近づきになれるか」。

パイロットと知り合いになるには、業務で毎日のように話してますが顔の見えない声だけの関係なので、自分から積極的に航空関係の会議や交流会、飲み会に出る、または後に紹介する搭乗訓練という方法があります。業務の話で盛り上がることも多いので親しくはなりやすいのではないでしょうか。

そして、CAさんと知り合いになるには、、、知り合いになったパイロットに飲み会に連れてきてもらうしかありません。。。

次に「飛行機にただでのれるか」。

航空管制官は国家公務員です。
自衛隊の管制官は基地間を移動する際には、自衛隊の輸送機に乗れますが、
航空局の管制官にはそのような制度はありません。

各航空会社から毎年、チケット何枚とかそういうこともありません。(あってもいいと思うけど)
しかし、唯一、業務として乗ることができます。搭乗訓練です。

コックピットのジャンプシートというところに乗ることができます。
パイロットの業務を見学、お互いの情報交換の目的で。

同時多発テロ(実際は自作自演という話ですが)以来、一般の人が飛行中の民間機のコックピットに入るのは難しくなりました。飛行機が好きでたまらないという方には、たまらないのではないでしょうか??

さぞ利用者も多いと思うでしょうが、実際はそれほど多くないというのが実情のようです。
3つの理由があります。

まず、報告書が必要なこと。報告書が好きな管制官はいません。たぶん。

次に基本的に日帰りであること。
短い距離ならばいいのですが、長い距離だと結構、体力的にきついです。もちろん寝るわけにはいきません。
帰りの便までは自由なのですが、いかんせん日帰りで決して遅れるわけにはいかないためあまり有意義には使えません。

最後に、狭いコックピットにキャプテン、コーパイと3人で、、、気を使うのです。
後ろで黙って見学していても参考にはなるのでしょうが、、、
パイロットよっては、コックピットから見える景色を説明してくれたり、管制業務の質問だったり、こちらからの質問も受け付けてくれます。そのようなときはとても有意義な搭乗訓練になります。
しかし、運が悪いと、いない者として扱われることもあるそうです。。。

航空管制官のお得なところ、、、知っている方がいたら教えてください(笑)



2008年5月24日土曜日

新しい航空保安大と給与

航空局の航空管制官になるには避けて通れない航空保安大学校

その保安大、今年の4月に東京の羽田整備場から大阪のりんくうタウンに移転しました。

もちろん校舎は新築で、マンションのような学生寮は個室で、各部屋には机、ロッカー、ベッドなどが備えられています。

時の国土交通大臣が絶句、、、「刑務所のようだ」といったとかいわなかったとか、、、した2人部屋、4人部屋の学生寮ではないのです。

最新の360度のバーチャルシミュレーター飛行場管制実習装

移転したことで研修生はこのような設備を給与をもらいながら無料で使うことができます。
しかし、、、

保安大のHPより、、、

給与
180,412円 (平成19年度現在)

だそうです。

確か、、、羽田にあった頃は、19万円はあったはず。。。
そう、国家公務員は勤務する地域によって給与が違うのです。

地域の従業員50人以上の企業を対象にして給与を調査し、その結果を参考に決められています。
これは何を意味するかというと、、、

最初の赴任地により給与が違うのです!

官署毎に業務量によって航空管制手当てで差をつけていますが、、、
この航空管制手当てが微々たるものであるために(最高でも1日1000円程度)

同期でものすごく忙しい地方空港と1時間に2、3機しか扱わない地方空港で管制手当て以外は
給与が同じ!!ということも発生します。

故橋本龍太郎氏が東京航空管制部を訪れたときに
「こんな大変な仕事をこんな安い給料でやっているのか」とおっしゃったそうです。

907便で有罪判決が出た今、これから管制官になろうとする人にどんな人材が集まるのか心配です。



2008年5月22日木曜日

すごい空港

この空港。。。ビーチは日本の沖縄をはるかに上回るエメラルドグリーン。出発機のブラストでビーチはすごいことに。。。危ないwってかフェンスの後ろの道路を走っていると吹っ飛ばされるのでは??管制官もびっくり!

「狂っちゃいないぜ」をみてウエイクタービュランスで飛ばされたいと思った人にはオススメかも。。。マニアじゃなくても一度行ってみたい。。。

プリンセス・ジュリアナ空港 
http://dolby.dyndns.org/upfoo/mov/1111938688986.wmv http://dolby.dyndns.org/upfoo/mov/1112507105530.wmv

訓練時代の話 転勤編

チームの若手の先輩が転勤してしまう!

異例の早さ。 自分と同じように新人できて仕事バリバリできる人。 自分がやってるときに横から 「それは違うでしょ~」とか「今のは入ったでしょ~」とか 訓練監督はできないけど、色々横から茶々を入れてくれてすごい助かってた。

いつか先輩みたいに仕事ができるよーになるんだろうか?と思いつつ訓練をしておりました。 「今のはよかったね」とか「だいぶわかってきたようだ」とかいわれると内心すごい喜んでた。 目標だったんだけどなぁ。。。 もっと一緒に仕事をしたかった。 彼が転勤するまであと1ヶ月ちょい。 一日も早くできるようになりたい!

追伸:先輩が転勤した頃と同じ経験値になってようやく自信もって、楽しく仕事できるようになりました!

2008年5月20日火曜日

フレゾロジー

管制官はフレゾロジーという言葉でパイロットに指示、許可などを出します。

英語っぽいですが、完全な英語ではないのです。
アメリカでは管制官に管制手当てを出すのはこのフレゾロジーを使えるからとか。

たとえば、「もう一度言ってください。」は、 say again.
「高度を教えてください。」は、 say altitude. (今ではreport altitude)

さて、ここでなんか気づきませんか?? そう、英語では、say again. と言われたら、、、、、 again! と答えるでしょう?

say altitudeには、、 altitude! ここらへんがやっぱりアメリカ人には難しいらしく、
どうしても pardon? といってしまうとか。

アメリカ人はフレゾロジーが言えるようになるまで半年~1年かかるらしいです。

英会話習得に↓


2008年5月18日日曜日

マスコミ

羽田の「管制ミス?」について 実際には重大な事故になる可能性は全くなかったにもかかわらず、マスコミは大きく、鬼の首を取ったかのごとく報じた。

那覇での「GO AROUND」 滑走路上に自衛隊のF15がいたために管制官は進入中の全日空機をGO AROUNDさせた。

羽田の件は、RWY closeが21:30からで実際の工事予定は23:00からだった。また、工事車両が滑走路に入る際、横断する際には必ず管制官にラジオで許可を求めてくる。つまり、日航機が着陸した際には全く危険はなかったわけである。 問題は管制官がRWY closeの情報を知らなかったということだが、、、。 そのために滑走路に入る際には無線で知らせてくるなど、2重3重の安全システムになっているわけである。

今回はそれらの最初がうまく働かなかっただけ、、、。それであのようにあわや大惨事と報じられるのでは何のためにシステムなのか??

那覇の件は、通常ではF15は全日空機に着陸許可を出す前に滑走路上から出ているタイミングだった。しかしそのときはたまたま出るのが遅れた。それで管制官は到着機に対してGO AROUNDの指示を出した。どこもおかしくない。ちゃんと管制方式基準にも書いてある!安全確保のための当然のこと。着陸をやり直すだけのことである。何も危険じゃない。パイロットもそのための訓練をしっかりやっている。それを全国紙の大きな見出しで「急上昇!」なんて。。。ちゃんちゃらおかしい。

マスコミによっては記事にしないとこもあったようだが、当たり前である。管制のことを何も勉強しないでそんなことを書いて恥ずかしくないのだろうか?? こんなことを書かれると全国の管制官が仕事がしづらくなってしょうがない。

GO AROUNDが必要なときは躊躇せず言わなくてはいけない。

イルミネーション

夜の空港が好きです。光のイルミネーション最高ですよね。 でも、あの光、一つ一つにちゃんと意味があって、色、明るさも決められてるって知ってました!?

実は20種類以上もあるんです。 しかも調節してるのは管制塔の管制官なのです。

正確には、管制官が滑走路付近の見え方、雲の高さ、周りの明るさを灯火運用卓で入力すると、コンピュータ制御で全ての灯火が点灯するそうです。

飛行機が着陸する際、誘導路を地上走行する際などに目印となるものというように目的もきちんとわかれています。 そんなことを考えながら夜の空港を眺めてみるのもいいかもしれません

2008年5月17日土曜日

空の路


車の道路、列車の線路と同じように、飛行機にも路があります。


もちろん目にはみえませんが。航空路と呼びます。 昔はこの航空路ありませんでした。 "You know so much sky. So few planes. Who's going to hit anybody?"(Understanding 航空管制 より)

「空は広いし飛行機は少ない。衝突はありえない」というわけです。


1956年にグランドキャニオンで空中衝突事故が起こって以来、このままじゃ危ないということになって、地上から電波を発する無線施設ができました。 現在の飛行機は目的地に向けてまっすぐ飛んでいるのではなくこの無線施設を頼りにジグザグにとんでいます。 効率は悪いですが、安全なんです。このほうが。 GPS等を使った新しい航法が導入されてきてますが、 これによって、飛行機は自機の位置をかなり正確に知ることができ、もっと効率的な飛び方ができるようになるそうです。


ところで上の写真ですが、エンルートチャートといいます。 色んな線が引かれてるけど、これが航空路。 航空路ごとに名前や最低経路高度など細かくきまっています。 航空路管制をやる各管制部の管制官は担当する空域の主要な航空路は覚えています。

ニアミス

羽田でニアミスを起こしてしまいました。。。


「ぼくは航空管制官2」で。 これ、何気に難しい。

実際は管制官の指示なしでは滑走路に入ることはできません。 「LINE UP AND WAIT」

このゲームではいつの間にか勝手に入ってしまいます。

交通量の多い空港では管制塔ないでは数人の管制官のチームによって仕事が行われます。
しかしこのゲームでは、 一人でグランド、ローカル、デリバリー、レーダーやらないといけない。。。
でも管制用語の勉強になるし(ちょっと言い回しが古いけど) 管制間隔や風向・風速とか考えながらやるとかなり勉強になるはずです。

実際の管制知らない人がやって、これっておもしろいのかなぁ?

Cabi